*はじめに*
どの録音形式であろうと、UTAU音源は原音なしには成り立ちませんし原音が命です。なるべく上手に歌わせてあげたいときは、できるかぎり録音に気を使ってあげてください。周囲の環境音なども避けられそうなら避けて録音してください。
*録音の流れ*
以下の項目に書いてあることの実行方法がよくわからないぞ!という方はいろいろクリックしてください。小さめの画像もクリックで拡大されます。
①OREMOを起動する
OREMOさんには「reclist.txt」というテキストが入っています。「あ」「か」などUTAU音源の収録に必要な音素があらかじめ載っていて、デフォルトの状態であれば起動したときにそれが表示されます。
この「reclist.txt」に載っていないヴぁ行や「ふゅ」などちょっと一部の特殊な音素を録音したい場合などはこのテキストにスペース区切りで付け加えちゃっても良いと思います。君だけのリストを作ろう。
このリストを複数用意してその中から使うものを選びたい場合、OREMOさん起動画面の左斜め上の「ファイル」から「音名リストの読み込み」という項目をクリックしてください。
OREMOさんには「result」というフォルダが入っています。デフォルトの状態であればそこに録音したwavが保存されますが、もう音源の名前も決めて保存用のフォルダも作ったし、そっちに保存したいな!という時はOREMOさん起動画面左斜め上の「ファイル」から「保存フォルダの変更」という項目をクリックしてそこで選んじゃいましょう。
④Rキーで録音
池弦が普段使っている単独音録音リストもこっそり配布しておきます。
*録音*
さて、実際の録音ですね。録音方法はたぶんどこにでも解説されている通り至ってシンプルです。Rキーを押している間に録音できます。
デフォルトなら「あ」を録音すれば次は「い」「う」と進めていって、確か「どぅ」までいけば終わりだった気がするんですけど池弦はリストをいじり倒したので若干自信がないです。とりあえず一番下まで録音して保存できたらばっちりなはずです。
以降は録音時の注意点などをつらつら書いておきますね。
・音叉窓の使用
どんな録音形式でもなるべく一定した音階で録音していくのが基本ですし、音叉窓という機能が特定の音をずっと鳴らしておいてくれる(※リピート再生で)ので、それを利用するのがおススメです。
OREMOさん起動画面の左斜め上、「表示」の欄に「音叉窓の表示」という項目があるのでクリックして使ってみてください。
・声量、声質をなるべく一定に!
出だしから最後まで、なるべく安定した声で録音してください。
声質が不安定だと使用時に違和感を感じたり、声量が一定でないと原音設定する時に困ったりします。使う音素によっていきなり低音が苦手になったりやたら元気がよくなったり、なんていうのを防いでいきましょう。
これは最後の「ぶ」だけちょっと元気になってます。
・子音から末尾の音まできちんと入れる
Rキーを押して一定の間隔を空けてから発声し、発声が終わった後にRキーから指を離してください。
録音したwavの子音が切れていると、正しい歌詞を打ち込んでもサンプルのように母音で歌ってしまったりという事故が発生するので、発声タイミングを見誤らないよう気をつけましょう。
末尾の音を入れておく理由は、使う際に「この辺で良い感じの語尾息が欲しいな…」「この辺で良い感じの喉切り音素が欲しいな…」といったことを考える方々が独自にoto.iniをいじってエイリアスを増やす時などに重宝されるといった理由以外でさほど思いつかないのですが、知人からおススメされた気がするので書いておきます。よろしくな。
録音する声の長さのあくまで参考なのですが、Rキーを押して1秒待って2秒発声、また1秒経ってから指を離すくらいの長さで録音すればだいたいの歌は何とか歌えるようになります。ロングトーンは母音だけ別で収録してもいいかも。
子音が切れているサンプル
正しく録音できているサンプル
・音割れに気を付けて!
先述した通り、UTAU音源は原音が命です。なので、原音が音割れしている場合はUTAU上でも音が割れたまま歌ってもらうことになります。原因としては声が大きすぎている、マイクの設定が声を通しすぎているなどが挙げられますので、表示されている音声波形がやけに太ければ音割れしていないか確認してください。
これは「な」が音割れしているサンプル
・特殊な音素を用意したい場合
子音を長く溜めて発声した音素、ロングトーン音素などは「が2」「あL」といったように各接尾辞を付けるなどして、通常の音素と分けて録音する方がおススメです。
OREMOさんのフォルダの中に「typelist.txt」というテキストがあると思います。付けたい接尾辞を全角スペース区切りで入力して保存しておくと、OREMOさんを起動して録音する際そこに入力した接尾辞が表示されます。各接尾辞を選択した状態で録音することで、「あ.wav」ではなく「あ強.wav」などwav名に接尾辞が付いた音素が保存されます。
*特殊音素*
①語尾息(「a R」「a 吸R」など)
語尾息はいいぞ。これがあるだけでちょっと調声がそれっぽくなっちゃうんですよね。フレーズの最後に息を吸ったり吐いたりするやつです。池弦は吐く方しか録音してないし使ってないので解説とサンプルは吐く方しかないのですが、吸う方もおおよそ一緒ではあるんじゃないかな。
この「よ~…」のところに語尾息を使っています。
基本的には「あ」「い」「う」「え」「お」「ん」の母音+んの6つ用意すれば、あとは口の形が変わらないので録音の必要はありません。OREMOに語尾息録音用の接尾辞はデフォルトでは用意されていないので、池弦の場合は(面倒くさいのもあり)上記6つの音を録音するときに一緒に語尾息もまとめて録音しています。原音設定で1つのwavから2つの音を切り出して使うことができるので「"あ"の音」と「"あの語尾息"」をそれぞれ分けて録音する必要があるわけではないです。とはいえだめなわけでもないので個人のやりやすい範囲でいいと思う。
これは語尾息の録音サンプル
②喉切り母音(「a ・」など)
何だと思う?池弦も最近使い始めたばかりであんまり使い方を熟知しているわけではないのですが、かなり簡単に言うと「ッ」の音、つまり促音のこと……だと思えばいいかな?おそらくこれも語尾息と一緒の収録量(「ん~っ」はちょっと難しいかもしれない)で大丈夫です。後述するロングトーン母音と一緒に録音してから原音設定で切り出しています。
これは喉切り母音の録音サンプル
③ロングトーン母音(「a L」など)
そのまんまですね、語尾息などと同じ収録量ですが発声する長さが違います。4秒くらいの長さで発声したら十分かな……?録音形式が単独音でも連続音でもCVVCでも、これは録音しておくと便利です。UTAU上で短い音を無理に長くもたせて使うとどうしても音が劣化してしまうので(すが、かといって全部ロングトーンにするとおそらく容量がとんでもねえことになるので)母音だけ録音しておけばあとは良い感じに繋げて使えます。
④二重母音語尾息(「a iR」など)
出すにあたって口の形を変えている語尾息です。例えばですが"あの語尾息"を録音する際、口の形は基本的には「あ」のままですよね。それを敢えて「い」や「う」に変える語尾息です。
これは二重母音語尾息の録音サンプル